強迫症
強迫症は、本来であれば気にしなくても良いことを必要以上に気にしてしまい、日常生活に支障をきたす病気で、発病に至る原因は解明されていません。
イメージしやすいものとしては、異常なキレイ好き(潔癖症)、外出の際に家の鍵をかけたかが気になってしまい何度も確認しすぎる、外出できても他のことに集中できない状態、などが挙げられます。
症状について
強迫観念
繰り返ししつこく浮かんできて、不安や不快を生じる考えやイメージです。
強迫行為
強迫観念を打ち消し、安心するために「やってしまう」行動です。
強迫行為をすると一時的に不安から解放されますが、長期的には「この行動をしなければならない」と儀式化してしまいます。
例)
不潔恐怖
「手が汚れている」「汚れて自分が死ぬ(もしくは他人を殺してしまう)」などの強迫観念が強まり、何度も手洗いをする、着替えをする、除菌する、ドアノブ・電車のつり革などを避ける、などの強迫行為が続きます。
確認恐怖
「鍵がかかってない」「泥棒に入られる」「火災になる」「大切なものを失う」などの強迫観念が強まり、外出時に玄関や窓の戸締まりや、ガスの元栓、電気のスイッチなどを何度も確認する強迫行為が続きます。
治療について
お薬による治療が基本です。
抗うつ薬(SSRI、もしくは三環系抗うつ薬)が推奨されています。飲み始めてから効果が出るまでに1~2か月かかりますので、焦らず治療を続けましょう。
認知行動療法も効果的です。
強迫行為は一時的に恐怖や不安を減らしますが、長期的には儀式化してしまい、強迫行為に費やす時間が長くなればなるほど生活への支障も大きくなります。
強迫行為を行いたくなる場面で「強迫行為以外の行動をとる」練習を繰り返すことにより、恐怖や不安を減らすことができます。
恐怖や不安に繰り返し向き合う練習が必要であり、時間も必要です。
認知行動療法が適切かどうかは専門的な判断が必要ですので、希望のある方には医師への相談をおすすめ致します。